台湾の航空会社:歴史とその信頼性

《台灣航空公司:歷史和可靠性》

台湾の航空会社を紹介します。

定期便を運行しているエアラインは現行で全7社あり、全てが民間企業となっています。

台湾の航空会社の歴史とその信頼性

運行中の会社

チャイナエアライン

チャイナエアラインロゴ

中文表記 : 中華航空 [Zhōng huá háng kōng]
英文表記 : China Airlines

アライアンス : SkyTeam (天合聯盟 [Tiān hé lián méng])

IATA : CI
ICAO : CAL
コールサイン : DYNASTY

拠点空港 : 桃園

設立 : 1959年9月17日

公式サイト:www.china-airlines.com (日本語)

墜落 : 13回 (1969, 1970, 1971, 1979, 1980, 1986, 1989, 1991, 1993, 1994, 1998, 1999, 2002)

中華民國政府が外資規制政策を打ち出し、民航空運公司に変わるフラッグキャリアとして設立。後に中国共産党の外交圧力が強まると民営化して対応しました。日本路線では日本航空とのコードシェア便を運行しています。

エバー航空

エバー航空ロゴ

中文表記 : 長榮航空 [Chǎng róng háng kōng]
英文表記 : Eva Airways

アライアンス : Star Alliance (星空聯盟 [Xīng kōng lián méng])

IATA : BR
ICAO : EVA
コールサイン : EVA

拠点空港 : 桃園

設立 : 1989年4月7日

公式サイト : www.evaair.com (日本語)

墜落 : 0回

台湾海運大手のエバーグリーングループによって設立。運行開始以来一度も死亡事故を起こしておらず高い飛行安全指数を維持しています。日本路線では全日空とコードシェア便を運行しています。

マンダリン航空

マンダリン航空ロゴ

中文表記 : 華信航空 [Huá xìn háng kōng]
英文表記 : Mandarin Airlines

チャイナエアライングループ

IATA : AE
ICAO : MDA
コールサイン : MANDARIN

アライアンス : SkyTeam (天合聯盟 [Tiān hé lián méng])

拠点空港 : 桃園, 臺中, 臺北松山

設立 : 1991年6月1日

公式サイト : www.mandarin-airlines.com (中國語)

墜落 : 1回 (1999)

チャイナエアラインが中国共産党の外交圧力により運行できなくなった路線に投入する目的で設立。後に國華航空を合併し国内線と短距離国際線を運行しています。

デイリーエア

デイリーエアロゴ

中文表記 : 德安航空 [Dé ān háng kōng]
英文表記 : Daily Air

IATA : DA
ICAO : DAC
コールサイン : DAILY

拠点空港 : 高雄, 臺東

設立 : 1993年6月1日

公式サイト : www.dailyair.com.tw (中國語)

墜落 : 0回

航空写真用のヘリコプター運行からスタートし、医療輸送や測量など多岐に渡る業務へ拡大。台湾東南部の離島路線を中心に運行しています。

ユニー航空

ユニー航空ロゴ

中文表記 : 立榮航空 [Lì róng háng kōng]
英文表記 : UNI Air

エバー航空グループ

IATA : B7
ICAO : UIA
コールサイン : GLORY

拠点空港 : 桃園, 臺北松山

設立 : 1996年3月

公式サイト : www.uniair.com.tw (中國語)

墜落 : 0回

エバー航空が馬公航空を買収して設立した航空会社。地方空港を結ぶ国内線と短距離国際線を運行しています。

タイガーエア台湾

タイガーエア台湾ロゴ

中文表記 : 臺灣虎航 [Táiwān hǔ háng]
英文表記 : Tigerair Taiwan

チャイナエアライングループ

IATA : IT
ICAO : TTW
コールサイン : SMART CAT

拠点空港 : 桃園

設立 : 2014年4月21日

公式サイト : www.tigerairtw.com (日本語)

墜落 : 0回

チャイナエアラインがシンガポールのタイガーエアグループに出資して設立した格安航空会社。のちに完全子会社化され主に国際線を中心に運行しています。

スターラックス航空

スターラックス航空ロゴ

中文表記 : 星宇航空 [Xīng yǔ háng kōng]
英文表記 : STARLUX Airlines

IATA : JX
ICAO : SJX
コールサイン : STARWALKER

拠点空港 : 桃園

設立 : 2018年5月2日

公式サイト : www.starlux-airlines.com (日本語)

墜落 : 0回

エバーグリーングループの後継者一族紛争で血縁関係を理由にエバー航空を追い出された元理事長 (取締役) が新たに設立した航空会社。エバー航空で培った安全理念を基軸に高品質なブランドイメージで短距離国際線を運行しています。

運行停止した会社

民航空運公司 (CAT)

民航空運公司ロゴ

中文表記 : 民航空運公司 [Mín háng kōng yùn gōng sī]
英文表記 : Civil Air Transport

IATA : CT
ICAO : CAT
コールサイン : MANDARIN

拠点空港 : 台北松山, 台南

設立 : 1945年1月21日
運行停止 : 1968年2月16日
解散 : 1975年4月30日 (30年)

墜落 : 12回 (1947, 1948, 1949*3, 1950*2, 1952, 1954*2, 1964, 1968)

アメリカの諜報機関が深く関わり設立。後に中華民國のフラッグキャリア的存在となりますが政府の外資規制で衰退、さらに墜落事故を起こし運行停止に陥りました。運行会社はベトナム戦争終結によるアメリカ軍撤退で解散しました。

トランスアジア航空

トランスアジア航空ロゴ

中文表記 : 復興航空 [Fù xīng háng kōng]
英文表記 : TransAsia Airways

IATA : GE
ICAO : TNA
コールサイン : TRANS ASIA

拠点空港 : 桃園, 台北松山

設立 : 1951年5月21日
運行停止 : 2016年11月22日
解散 : 2016年11月22日 (65年)

墜落 : 5回 (1958, 1995, 2002, 2014, 2015)
事故 : 3回 (2003, 2004, 2005)
強取 : 1回 (1996)

FOSHIN TRANSPORT CORP. (Foshing Airlines) フォッシングエアラインズとして開業、名称変更を経て台湾三大航空会社へ成長した台湾初の民間航空会社。台湾新幹線の開業や格安航空会社の台頭で経営が悪化、国際線開通や大型機導入で活路を図るも、連続墜落事故を起こし運行停止に陥りました。運行会社は多額の損失を計上、立て直し困難となり解散しました。

機内食のケータリング会社「復興空廚」は売却後も名前がそのまま使用されています。
通信販売サイト: B Terminal

ファーイースタン航空

ファーイースタン航空ロゴ

中文表記 : 遠東航空 [Yuǎn dōng háng kōng]
英文表記 : Far Eastern Air Transport

IATA : FE
ICAO : FEA
コールサイン : FAR EASTERN

設立 : 1957年6月5日
運行停止 : 2019年12月13日

拠点空港 : 台北松山, 桃園

墜落 : 4回 (1969, 1970, 1975, 1981)
事故 : 6回 (1969*2, 1977, 1993, 2006, 2019)
強取 : 2回 (1974, 1997)

中華民國空軍退役軍人が設立。国内線と短距離国際路線で発展したものの後継者紛争、新幹線開業、原油価格高騰、金融危機など天歩艱難の経営危機を何度も迎えました。格安航空会社の台頭と台中摩擦の影響が財政を更に圧迫し、経営者が私費を投ずるも虚しく運行停止に陥りました。

台湾航空

台湾航空ロゴ

中文表記 : 台灣航空 [Táiwān háng kōng]
英文表記 : Taiwan Airways

IATA : WG
ICAO : TAC
コールサイン : 不明

設立 : 1966年
運行停止 : 1998年

拠点空港 : 高雄

墜落 : 5回 (1978, 1981, 1983, 1988, 1992)

航空写真撮影や農薬散布業務で開業。航空自由化を機に旅客業へ進出し、南東部の離島を結ぶ路線を担いました。後に政府の資源共有政策によりエバー航空傘下のユニー航空へ吸収されました。

大華航空

大華航空ロゴ
*資料を元に創作した商標です

中文表記 : 大華航空 [Dà huá háng kōng]
英文表記 : Great China Air

IATA : GC
ICAO : GCA
コールサイン : 不明

設立 : 1966年3月28日
運行停止 : 1998年7月1日

拠点空港 : 台北松山

墜落 : 0回

ヘリコプターでの農薬噴霧業務で開業しましたが、経営不振に陥り業務を停止しました。航空自由化を機に旅客業へ進出し、台北と国内地方空港を結ぶ路線を運行しました。後に政府の資源共有政策によりエバー航空傘下のユニー航空へ吸収されました。

永興航空

永興航空ロゴ
*資料を元に制作した商標です

中文表記 : 永興航空 [Yǒng xìng háng kōng]
英文表記 : Yung Shing Airlines

IATA : 不明
ICAO : 不明
コールサイン : 不明

設立 : 1966年5月5日
運行停止 : 1994年

拠点空港 : 台東

墜落 : 2回 (1989,1993)

農薬散布業務としてスタートした後、旅客業へ進出しました。台東と離島を結ぶ路線を運行していましたが、業務拡大に伴いフォルモサ航空へ社名変更しました。

フォルモサ航空

フォルモサ航空ロゴ
*資料を元に制作した商標です

中文表記 : 國華航空 [Guó huá háng kōng]
英文表記 : Formosa Airlines

IATA : VY
ICAO : FOS
コールサイン :

設立 : 1987年8月8日
運行停止 : 1999年8月8日

拠点空港 : 台北松山

墜落 : 3回 (1996, 1997, 1998)

路線を拡大し中型ジェット機も運用するまでに成長しましたが、度重なる事故により航空安全指数は低下しました。地方路線の拡充を狙うチャイナエアラインが買収を行い傘下のマンダリン航空に吸収されました。

永興航空時代に總經理 (ゼネラルマネジャー) を努めた人物がのちに食品輸入販売業へ進出し、企業商標 (ロゴ) を引き続き使用しています。第一名店 (FIRST SUPER)

馬公航空

馬公航空ロゴ

中文表記 : 馬公航空 [Mǎ gōng háng kōng]
英文表記 : Makung Airlines

IATA : B7
ICAO : MKO
コールサイン : MAKUNG

設立 : 1988年8月
運行停止 : 1995年

拠点空港 : 澎湖馬公, 台北松山, 高雄

墜落 : 0回

航空自由化後最初に設立された航空会社。澎湖島の利便性を向上すべく離島や地方と台北を結ぶ路線で発展します。後にエバー航空に買収され、ユニー航空と名称が変更されました。

中國アジア航空

中國アジア航空ロゴ
*資料を元に創作した商標です

中文表記 : 中國亞洲航空公司 [Zhōng guó yàzhōu háng kōng gōng sī]
英文表記 : China-Asia Airlines

IATA : 不明
ICAO : 不明
コールサイン : 不明

設立 : 1989年5月19日
運行停止 : 1993年10月

拠点空港 : 台北松山

墜落 : 0回

航空自由化の波に乗り定期便運行を開始しましたが、経営計画に実力が伴わず小型機1機での運用に留まりました。それゆえ安定的な運行が難しく度重なる運休が債務超過を招き、最後は唯一の機材を差し押さえられ幕を閉じました。

ユーランド航空

ユーランド航空ロゴ
*資料を元に制作した商標です

中文表記 : 瑞聯航空 [Ruì lián háng kōng]
英文表記 : U-Land Airlines

IATA : WI
ICAO : ULA
コールサイン : 不明

設立 : 1994年11月
運行停止 : 2001年

拠点空港 : 台北松山

墜落 : 0回

台中の建設会社が中国アジア航空を買収し設立した台湾初の格安航空会社。廉価な運賃は集客効果抜群でしたがアジア通貨危機の影響で地価が下落すると親会社の財務状況が悪化、無謀な経営戦略と飛行安全指数の低下も重なり運行停止に陥りました。台湾初の財政難で倒産した航空会社となりました。

Vエア

Vエアロゴ

中文表記 : 威航 [Wēi háng]
英文表記 : V Air

IATA : ZV
ICAO : VAX
コールサイン : VANTAGE

設立 : 2014年1月20日
運行停止 : 2016年9月30日

拠点空港 : 桃園

墜落 : 0回

経営が悪化したトランスアジア航空によって設立された格安航空会社 (LCC) 。他社LCCとの台湾路線覇権争いの対抗馬ならぬ対抗熊として鳴り物入りで参入しました。気さくな客室乗務員で話題を集めましたが、親会社の経営不振が深刻過ぎ短期間で運行停止に陥りました。